つきじだより

つきじだより36

梅の花がほころび、春の足音を感じる季節となりました。先日、看護師・保健師・助産師国家試験が終わり、4月からは新たな看護職の仲間が加わります。私自身、大学を卒業して29年が経ち、学生や新人の皆さんから見ればベテランに映るのかもしれません。しかし同窓会活動を通して諸先輩方と接していると、まだまだ学ぶことばかりだと感じます。看護という仕事の奥深さを実感しつつ、これからも新しいことに取り組みたいと思います。そこで、この機会に、これまでの歩みを振り返ってみました。

卒業後3年間は病院で勤務し、CCUや循環器病棟で経験を積みました。その後、訪問看護の道へ進みました。面接で「どこに行っても最初は勉強。興味があるなら最初から訪問看護に来ればいい」と背中を押され、「なるほど、その通りだ」と納得したことを思い出します。結果として、私は訪問看護という仕事に魅了されることになります。

始めた当初は、さまざまな疾患や生活背景をもつ利用者と出会い、疾患や医療処置などについて学びながらの毎日でした。利用者宅へ時間通りにたどり着くことも容易ではなく、介護保険や医療保険の仕組みも理解する必要がありました。病棟勤務時代は「経済面」という項目として捉えていた事柄が、在宅では生活そのものに直結する現実として考える必要があります。また、訪問看護は生活のごく一部であり、家族の状況や他のサービスとの調和が欠かせません。これらの経験は、利用者にとって、そして自分にとっての看護の価値を問い直す機会となりました。

3年ほど経った頃、さらに学びたいと考える中で地域看護専門看護師(CNS)という資格を知り、母校である聖路加看護大学(当時)の大学院へ進学しました。その後も大学院生、非常勤、教員として母校に関わることになりました。現在は、同窓会役員として活動しています。恩師と同窓生として机を並べることは、緊張と楽しさが混在しますが、世代を超えてつながりが受け継がれていくのだということをかみしめています。

技術革新が進み、社会が大きく変化する中で、看護職の可能性も広がり続けています。ベテランと若輩者のはざまに立つ今だからこそ、学び続ける姿勢を忘れず、誰にとっても安寧な日々を支えられる看護を実践していきたいと思います。

Class of 1997 竹森志穂